「満足しない人生を。」Chris先生へ15の質問。指導員インタビューPart1

インタビュー
演武大会でのChris先生

無限塾には、様々なプロフェッショナルを持つ大人や才能あふれる子どもたちが、合気道を学ぶことで日々の困難に打ち勝ち人生を豊かにしています。

今回は、今年7月にカナダへの転勤により無限塾を離れることになったChris先生(5段)に、24年にわたる合気道Lifeを振り返るとともに、15の質問をしてみました。(文、訳、撮影:すがわら)

Chris 先生
養神館合気道5段、合気道歴23年。アメリカ、オハイオ州出身。18歳でアメリカにて合気道を始め、Jack Payet氏に師事した後、主席指導員として数多くの研修生・指導員を育成。無限塾本部道場の道場長を経て、2016年に無限塾東京支部を設立、道場長を務めた。

 


Chris先生の合気道Lifeを振り返る

 

——まず最初に、合気道を始めた頃から今に至るまで、簡単に教えていただけますか?

18歳:合気道を始める

合気道を始めたのは18歳です。格闘技にはもともと興味があったんですが、親があまり乗り気じゃなく許してくれず、その歳になるまでチャンスがありませんでした。

18歳になってやっと許可がおりたので、当時住んでいたカルフォルニアの合気道道場の門を叩きました。

20歳:無限塾の創設者であるPayet先生と出会う

合気道を始めて2年、私があまりにも熱心に合気道をするので、合気道の先生から、当時カリフォルニアに住んでいたPayet先生を紹介してもらいました。

そのころ、Payet先生は週3回クラスを開いていて、ほどなくして私はそのすべての稽古に参加するようになります。4年に渡る稽古の末、1級を取ったところでPayet先生は日本に移ってしまいます。

その後、2年間、合気会の合気道を習い、確か3級になるまで続けていたと思います。

26歳:初段を取る

26歳で日本のPayet先生のもとに試験を受けに行き、初段をとりました。

初段獲得後は、アメリカで稽古をしていたのですが、やはりどうしても合気道をマスターをしたいという思いが捨てきれず、Payet先生に頼み込み、日本に移り住んで稽古に励むことになります。

28歳:日本での厳しい稽古がスタート

日本でPayet先生のもとでは、開かれていたすべてのクラスに参加しました。1週間に10クラスくらいだと思います。その後、指導員を育成するコースを作り、これまで12人の指導者を育ててきました。

2段を取った時のChris先生

数多くの指導員を育てた

35歳:東京へ移り住み、無限塾東京を立ち上げる

子どもができたこともあり、経済的に折り合いを付ける必要が出てきた頃、知り合いのから東京の会社で働かないかという誘いがかかり、引っ越しを決めました。

東京の道場であっても、京都と教え方はあまり変えず、Payet先生から教わった無限塾の合気道を引き続き教えていました。

42歳:現在、カナダに移住


 

クリス先生の合気道Lifeにまつわる15の質問

 

——略歴が振り返られたところで、次に合気道に関する質問をさせてください。

Q. 18歳のころ、数ある格闘技の中で、何故合気道を選んだんですか?

合気道のイメージが他の格闘技よりもcoolだったからです。戦うことなく、美しい動きをするイメージでした。

Q. 合気道を知ったきっかけは何ですか?

ビデオゲームで合気道のキャラクターがいて知りました。餓狼伝説というゲームです。

クリス先生が合気道を知ったきっかけ。

Q. 合気道の最初の師はどなたですか?

レナード高橋先生です。私が体験に伺った際、四方投げをいきなりされてびっくりしましたが、それが自分にはとてもフシギな感覚で「もっと知りたい!」と思い、すぐに入門を決めました。

Q.日本に稽古に来て気付いたことはありますか?

もともと1年で合気道をマスターするつもりでしたが、全く足りないということです。
アメリカにいた時に初段は持っていましたが、あくまで生徒としての初段であって、プロフェッショナルにふさわしいレベルでの初段ではなかったということです。
また、身体も十分に動かず、半年間、足から常に血を流しながら稽古をしていました。

Q. Payet先生は厳しかったですか?

実は、Payet先生から厳しくされたことは一度もないです。
自分が自分の合気道に満足できず、自分に厳しく稽古を強いていました。

Q. 辛い修行中にアメリカに戻ろうと思ったことはありますか?

ないです。途中で投げ出して、アメリカに帰ることはプライドが許しませんでした。

Q. 合気道で最も大切なことは何でしょうか?

満足しないことです。
常にどうしたら良くなるのかを考えて練習することです。

 

Q. 合気道の生徒に一言アドバイスがあるとしたら?

Good basics makes good techniques.

良い基本が良い技を作ります。基本がすべてです。
もし技がうまくできない場合は、技のやり方自体に原因があるのではなく、その技に必要な基本動作ができていないのです。常に、基本動作を改善するよう努力しましょう。

Q. 基本の練習は退屈と思う人は多いです。どう続ければ良いでしょうか?

確かに基本動作の練習は退屈で辛いものです。その行為自体に見返りは無いけれど、基本動作の練習を続けていると、ふと1年前に先生に言われたことの意味に気づくことがあります。「先生はあの時この事を言っていたんだ」と。その発見が一番の報酬です。

Q. 先生は仕事でも活躍されて今では数十人をマネジメントしているとお聞きしました。仕事でパフォーマンスを出す秘訣は何でしょうか?

どうしたら良くなるのかを常に考えることです。結果のみにとらわれるのではなく、その結果が生まれた原因に着目して、改善する方法を考え続けることです。これは合気道の上達と全く同じです。現状に満足せず、基本が全てです。

Q. 変な質問ですが、合気道で失ったものはありますか?

経済的な充実です。私は日本に来る前は、物流系の会社で非常に恵まれたポジションにいました。そのまま続けていれば生涯もっと多くのお金を稼いでいたかもしれません。

Q. 合気道をやっていて辛かったことはありますか?

ないです。ただ、スタッフ間での衝突は何回かあり大変でした。違った合気道感、国(文化)の違い、合気道経験が自分より長い人との折り合いなどはやはり大変なものがありました。

Q. 合気道における失敗はありますか?

育成した指導員の半分は既に合気道をやめてしまっている点です。研修生コース(週5の特別稽古で指導員を目指すクラス)に参加するメンバーは目的は様々です。厳しい稽古を経て、それでもやりきったメンバーの半数がやめてしまわないように、もっとやれることはあったんじゃないかと思います。

Q. 18歳に戻るとしたら、合気道をもう一度やりたいと思いますか?

絶対やります。合気道は私の人生を変えてくれました。 妻との出会い、日本に来るきっかけ、自身を強くし、協力的にしてくれました。また、生きる方法を知り、仕事の仕方も教えてくれました。

Q.合気道を始めようとしてる人へアドバイスは?

合気道にネガティブなことなんて無いです。始めるのは大変かもしれませんがコンフォートゾーンから抜け出して人生を豊かにしましょう。


——満足しない人生を歩むことで得られるものがあるというわけですね。ありがとうございました!

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